毎月1回、FMみはらの増原局長が綴るマニアックなコラム。
ダンディーでハイセンスな局長のプライベートや偏った趣味嗜好、FMみはらの情報をお届けしています。
『1975』
イギリスに『THE1975』というバンドがいます。よいバンドですがバンド名が頂けない。私にとって『1975』とは広島カープが初優勝した年のこと。それ以上でもそれ以下でもありません。ごめんなさい、上から目線で。『1975』は特別な数字なんです。
私は思い出します。小学二年生のあの夏の日のことを。柔道の帰り道、バイク屋から聞こえてきた、けたたましいラジオの声。「二打席連続アベックホームラン!」。オールスターゲームで山本浩二と衣笠祥雄が連続ホームランを打った時の実況中継でした。ボヤっとしていて少し自分勝手に色付けされている私の記憶ですが、この日を境に赤ヘル旋風が始まったように思います。友達の帽子が一人、また一人と赤く変わり、ヒーローが仮面ライダーから山本浩二に変わりました。優勝した直後には帽子屋さんではカープの帽子が、占い屋さんではカープの写真が配られ、私たちは帽子屋さんに、そして初めて占い屋さんに行きました。
このカープ初優勝の狂騒曲、世代によってエピソードが変わってきます。ある人は言います。「学校の授業が中断され、カープ戦になった」。また、ある人は言います。「カレーが一杯100円になった。」「カープ選手のサイン会が開催され、福祉会館が子供でいっぱいになった」。一人一人にカープ初優勝のエピソードがあります。そんなエピソードの中、私はある人の言葉が忘れられません。「前年に最多勝を獲得した後、交通事故にあった金城投手。再起不能と言われた彼があの優勝のマウンドに上がった。あの姿を見るだけで僕には十分だったんだ」 カープ初優勝の話だけでもいろんなエピソードがありますが、三原の街にもいろんなエピソードが溢れています。人によって変わってくるエピソード。「語り継ぐ」必要があるかどうかわかりませんが、こんなエピソードをつまみに一杯やるのが私は好きです。実はラジオにはこんなエピソードを聴くことができる、素敵な時間が流れています。ぜひ、ラジオを聴いてください。
局長プロフィール
増原進(ますはら すすむ)
三原市出身の50代。
2018年に広島県三原市に開局したコミュニティFM『FMみはら』の局長。
三原市民の生活に寄り添った放送を目指し、日々、自転車で取材、会議、営業に奔走し、時にはスタジオに入ることも。
地元企業CMのシナリオも書く。たまに自らも出演し、声色を使い分け、様々な役を演じることができる。その声にプロのベテランパーソナリティですら「七色の声を持つ局長」と呼び、リスペクトを得ている。
「お昼は自分で7日前に作った(冷凍)カレーをチンして、局内にカレー臭を漂わせる」「散髪で、上を1.5センチ、横を3ミリと注文したが、逆に上を3ミリ、横を1.5センチにされてしまい、結果的に丸刈りにした」など、ネタは枚挙にいとまがなく、それを放送でリスナーさんにイジられることも多い。
映画や音楽にも造詣が深く、節約料理が得意。
生粋のカープファン。実は最近までマツダスタジアムへ行ったことがなかったのだが…先日(2023年8月)ついに初観戦を果たした。
(MJ編集部)
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